にゃんわん

笑・泣・感動・驚・いろいろ動画

*

『78円の命』

      2016/02/09

 

『保健所』で検索するとそこには想像もできないざんこくなことがたくさんのっていた。
飼い主から見捨てられた動物は日付ごとにおりに入れられ、そこで3日の間、飼い主をひたすら待ち続けるのだ。
そして飼い主が見つからなかった時には、死が待っている。
10匹単位で小さな穴に押し込められ、二酸化炭素が送り込まれる。
数分もがき、苦しみ、死んだ後はごみのようにすぐに焼かれてしまうのだ。

動物の処分1匹につき78円。
動物の命の価値がたったの78円でしかないように思えて胸が張りさけそうになった。
そして、とても怖くなった。
残念ながら、友達の話は本当だった。
調べなければ良かったと後悔した。

現実には年間20万匹以上の動物がこんなにも悲しい運命にある事を知り、さらに大きなショックを受けた。
動物とはいえ、人間がかけがえのない命を勝手にうばってしまってもいいのだろうか。
もちろん人間にも、どうしても動物を育てられない理由があるのは分かっている。
一体どうすればいいのか分からなくなった。

キキがずっと鳴いている。
大きな声で鳴いている。
いなくなった赤ちゃんを探しているのだろうか。
鳴き叫ぶその声を聞くたびに、パソコンで見た映像が頭に浮かび、いてもたってもいられなくなり眠れない夜が続いた。

キキのかわいい声もいつの間にかガラガラ声に変わり、切なくなった。
言葉が分かるなら話をしたい。
私はキキをぎゅっと抱きしめた。

最近キキの姿を見かけなくなった。
もしかしてキキも保健所に連れて行かれたのかと一瞬ひやっとした。

それから1週間後、おなかに包帯を巻いたキキを見かけた。
〇〇さんがこれから赤ちゃんを産めない体に手術をしてくれたのだ。
私は心から感謝した。
この先キキも赤ちゃんも捨てられずにすむという安心した気持ちと、〇〇さん家のネコになってしまったんだというさみしい気持ちとで複雑だった。
正直、とてもうらやましかった。

命を守るのは私が考えるほど簡単なことではない。
かわいいと思うだけでは動物は育てられない。
生き物を飼うということは1つの命にきちんと責任を持つことだ。
おもちゃのように捨ててはいけない。
だから、ちゃんと最期まで育ててやれるという自信がなければ飼ってはいけない事を学んだ。

今も近所には何匹かの捨てネコがいる。
私はこのネコたちをかわいがってもいいのかどうか、ずっと悩んでいる。

 
第41回豊橋市小中学生話し方大会最優秀賞作品
小学6年生・谷山千華さん

 

そしてこの作品を通じて共鳴したメンバーが集まり、『78円の命プロジェクト』を立ち上げました。

3年たった現在でも1年に10万匹以上の犬猫が、保健所で殺処分されています。そして、実際の数字はもっと多いとも言われています。

これ以上多くの小さい命が失われていかないため、そしてより多くの子どもにこの事実を伝えていくため、『78円の命プロジェクト』が動き始めました。

同プロジェクトでは、作文『78円の命』を題材にし、絵本・ポスター・冊子を作成し、より多くの人たちにこの作品、そして犬猫殺処分の現状を知ってもらうプロジェクトです。

GREEN FUNDING Lab

 

Visited 1 times, 1 visit(s) today



PAGE 1 PAGE 2


 - ねこ【画像】 ,