戦地で身体の不自由な子猫と出会った兵士。その場に子猫を残しておけず決死の行動に出る
今から8年ほど前のこと、アメリカ陸軍兵士のクリスティン・ボールディンさんが、派遣先のアフガニスタンで子猫の『フェリックス』とその母猫を見つけました。
フェリックスはすでに歩ける年齢でしたが、小脳形成不全の障害を持っていたため、身体を動かすと全身がグラグラしてしまい、うまく歩くことができませんでした。
クリスティンさんはフェリックスを何回も起こしてあげましたが、その度にひっくり返ってしまったそうです。
初めてクリスティンさんがフェリックスに近づいたとき、フェリックスは恐ろしさのあまり毛を逆立てて威嚇してきました。
しかし、母猫の方は人間に慣れていたようで、クリスティンさんに身体を擦り付けてきたのです。
そんな母猫の姿を見たフェリックスは、徐々にクリスティンさんに愛情を示すようになっていきました。
クリスティンさんは猫の親子のために、1日に何回も水と食料を運んであげました。
そのおかげで臆病だったフェリックスは、クリスティンさんを信頼するようになり、ついに心を開いたのです。
クリスティンさんは愛らしい親子の姿を見ながら、どうやったらアメリカに連れて帰れるかを考え始めていました。
しかし、クリスティンさんの思いをよそに、突然母猫が姿を消してしまったのです!
クリスティンさんは残されたフェリックスの姿を見て、一生フェリックスを育てていく決心をしました。
その日以来、母親が姿を現すことはありませんでした。
もしかすると母猫は、愛情を注いでくれるクリスティンさんに、フェリックスを託したのかもしれません。
クリスティンさんはフェリックスのために砂袋で間に合わせの家を作ってあげました。
しかし、身体がグラグラするフェリックスは砂袋を乗り越えることが難しいようで、なかなか家に入ることができませんでした。
その様子を見ていたクリスティンさんの友人が、フェリックスのために素敵な家を作ってくれたそうです。
クリスティンさんは自宅から送られてきた猫用のオヤツを、フェリックスに食べさせてあげました。
フェリックスは嬉しそうにオヤツを食べると、クリスティンさんに寄り添いながら満足そうに鳴いてきたそうです。
そんなフェリックスの姿に、クリスティンさんはいつも癒されていました。
そんな日々を過ごしているうちに、ふたりはお互いになくてはならない存在になっていきました。
フェリックスはいつもクリスティンさんのことを、お母さんを見るような目で見つめてきました。
その姿にクリスティンさんは胸が熱くなり、何度も涙を流したそうです。
クリスティンさんはフェリックスを国に連れて帰る方法を探し始めました。
帰国する兵士用の飛行機に乗せられないかと考えたクリスティンさんでしたが、拒否されてしまいました。
どうしても諦められきれなかったクリスティンさんは、地元の獣医さんに相談してみると、アフガニスタンの首都カブールで動物保護活動を行っているパム・コンスタブルさんを紹介してくれました。
早速クリスティンさんはパムさんに連絡を取り、事情を説明しました。
するとパムさんは、クリスティンさんが帰国するまでの間フェリックスを預かり、帰国後に自宅に送り届けることを約束してくれたのです。
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