死が待っている部屋の片隅で…活動家が撮影した1枚の写真に何を感じる?
ラブラドールは、グレイブスさんの元で一時的に預かることに
その後、グレイブスさんはこのラブラドールを一時的に預かるとして、自身の運営する「ヘイリー・グレイブス財団」で引き取ることにしました。
適切な治療とケアを施し、新しい里親を探すことを決心したのです。
ラブラドールには「ジューン・キャッシュ」という素敵な名前が与えられました。
ジューンの身体をチェックすると、そこには明らかに人為的に付けられたような傷がいくつも発見されました。
保護した時も、首輪と呼ぶにはあまり大きく頑丈すぎるものが巻き付けられており、刃物を使ってやっとのことで外すことができたそうです。
おそらく、元の飼い主からは虐待を受けていたのでしょう。
ジューンの精神的なダメージは深刻で、外に出ても尻尾は下がりっぱなし。
ご飯を与えても、人間が近くにいると緊張して満足に食べることもできませんでした。
ジューンの容体は心身ともに深刻でした。
しかし、それでもグレイブスさんたちは懸命に治療とケアに専念しました。
もう一度、明るく元気なラブラドール本来の姿を取り戻してもらうために。
少しずつ元気を取り戻すジューン
グレイブスさんの元に保護されてしばらく経ったとき、ジューンにも少しずつ変化がみられてきました。
本当に少しずつですが、グレイブスさんたちの想いに応えるかのように元気を取り戻していったのです。
プレゼントしてもらったベッドは気に入ったようで、夜も安心して眠れるようになりました。
自分のためだけに与えられたオモチャでも無邪気に遊べるようになってきたそうです。
まだ完全に心の傷が癒えたわけではありませんが、ジューンは少しずつ前に進もうとしているのです。
現在では、ジューンは落ち着きを取り戻し、心のケアも順調に進んではいますが、実はもっと深刻な問題を抱えていました。
それは、重度のフィラリアです。
フィラリアという病気は、飼い主がしっかり管理してあげていれば未然に防げる病気ですが、ジューンの身体は重度のフィラリアに侵されていたのです。
ここでも、元飼い主のずさんな飼育が伺えます。
身体の傷が完治し、精神的にもだいぶ落ち着いてきたジューンには、新しい家族からの暖かい愛情が必要です。
そのためには、ジューンが抱えるフィラリアを治療しなければいけません。
そのため、グレイブスさんはクラウドファンディングにて治療費の寄付を募ることにしました。
目標金額の12,000ドルまで、あと約2,000ドル。
「ヘイリー・グレイブス財団」では、ジューンの他にも安楽死寸前で保護された「チャンス」という犬と、ジューンと同じようにフィラリアに起こされた「セレニティ」がいます。
この子たちに第二の犬生を歩ませるためにも、治療費はまだまだ足りていないのが現状なのです。
海外の話だからと他人事ではない
保健所に連れてこられた犬や猫たちの、本当の姿。この写真を見て、あなたは何を感じたでしょうか?
安易に「保健所にいけば、犬を引き取ってもらえる」なんて考えは間違っています。
保健所に連れていくことは、愛犬を自らの手で殺すことと同じ意味を持っているのですから。
そして、今回の記事が海外の話だからといって、決して他人事ではありません。
ジューンたちのように悲惨な過去を持ち、これから新しい家族に出会うことを心待ちにしている犬や猫は日本にもたくさんいます。
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