ミミズクは一度信頼した人間に絶対的愛情を示す。命を救ってくれた獣医への愛情の行動とは…
2017/01/29
ほんの少しの別れもかなしい。全身で再会を喜ぶジジ
ダグラス氏が休暇を取り家族に会うためミシガンに行き、帰ってきた時のことだ。
ダグラス氏がいない間、ジジは独りぼっちで相当寂しかったのだろう。
ダグラス氏がジジの診察を始めると、ジジは嬉しそうに首を上下に振り、腕の上で踊り始めたのである。
さらにダグラス氏の胸元にそっと寄り添い、頭を肩にもたれかけた。
そして彼を包むように翼を広げたのだ。
まさに抱きしめるという表現がぴったりの行動だった。
ジジがダグラス氏を抱きしめる直前に見せた表情から、どれだけダグラス氏を恋しがっていたのかが分かったとスタッフは話してくれた。
自分を救ってくれた人と再会できて、心底うれしかったのだろう。
ダグラス氏の猛禽エピソード
ダグラス氏もジジに抱きしめられた時は特別な瞬間だったと語ってくれた。
ダグラス氏は子供の頃こんなことがあったそうだ。
ダグラス氏が育った家には納屋があり、そこの屋根にはいつもアメリカワシミミズクが来てちょこんと座っていた。
ダグラス氏の父親はそのミミズクをしょっちゅう見ることができたそうだが、ダグラス氏や他の家族の者は滅多に見ることができなかったそうだ。
そんなある日、ダグラス氏の父親が亡くなった。
ふと外をみると、そのワシミミズクが家をじっと見つめていたという。
その目線の先は、ダグラス氏の父親が亡くなった場所だったのだ。
そしてしばらくすると森へ飛び立っていったという。
「ジジが私に抱きついていきた時、私は父親のことで頭が一杯になりました」
そう語るダグラス氏。
ジジは完全に回復したあとに野生に戻される予定だが、それまではダグラスさんにべったりくっついていることとなるだろう。
「ダグラスとジジを見ていたら自然に涙が出てきました。ジジは心からダグラスのことを信用しています。それがジジの表情にはっきりと出ていました」とデュビュイソン氏は最後に話してくれた。
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